永田醸造機械株式会社様

永田醸造機械株式会社様

どこの企業も1期生の受け入れは初めてのことで最初の指導は手探り状態になります。今回、初めて技能実習生を受け入れた永田醸造機械株式会社は言葉の壁、指導方法などどのようにして技能実習生に技術を習得させたのか伺いました。

1906年に創業した永田醸造機械株式会社は清酒、焼酎、味噌、醤油といった伝統食品の醸造機械を製造しています。醤油は近年、世界的に認知度が高くなり、アメリカやブラジルなど世界各国に輸出が拡大しています。そんな中、荒木社長はアジア圏の営業強化を目標に、今回初めてベトナムの技能実習生を受け入れを決めました。技能実習生を通してベトナムへの理解や人脈形成、パイプづくりも視野に入れています。面接で採用したのは二人とも年齢、精神ともに落ち着いたビンさんとオンさん。

企業側の目線

受け入れが決まって、社員からは「日本語も不慣れな人材が、本当に自社の作業を覚えられるのか?」という抵抗感は少なからずありました。そんな意見を聞いた荒木社長は「やってみないとわからないから」と現場を説得して技能実習生を受け入れましたが、やはり最初はどうしても言葉の壁が障害になりました。

しかし「現場は、言葉以上に手先を使って溶接したり、製品が作られて行く工程を理解することが重要。身振り手振り工夫してとにかく理解できるように指導した」と荒木社長。技能実習生は、不明な点が有った時点で都度相談し、仕事を覚えて理解しようとする積極的な姿勢を感じたので、現場の指導者もとにかく技能実習生の疑問に対し、丁寧に理解させていきました。「技能実習生の意欲もあり、通常なら3年ほどかかる仕事も1年で任せられるようになった」と驚くほどの上達ぶりに荒木社長も感心しています。

技能実習生側の目線

最初の6カ月間はひたすら機械の使い方と溶接の練習、図面を理解できるように勉強しました。技能実習生にとって日本語をうまく話せないことに、もどかしさを感じましていたので、とにかく指導者のいうことをよく聞いて、身振り手振りで分からないところを説明するよう努力しました。

「作業を行う前に図面をしっかり見て、分からなくなったらすぐに指示を仰ぎ、教えてもらう。とにかく疑問は何でも質問する」ことを徹底していたという2人。ルオンさんは「都度、丁寧に親切に教えてくれたので覚えることができた」と嬉しそうな表情でした。嬉しいことに、技能実習生は技能習得意欲が高く、企業に貢献したいという気持ちが強いようです。

インタビュー中のこぼれ話

ー プライベート編
初めての海外生活で技能実習生はホームシックになると思いきや、今はインターネットが発達しているということもあり、テレビ電話やフェイスブックなどで家族と連絡を取り合えます。そのため二人の技能実習生にとっては「帰りたい」というさびしい気持ちになることは皆無だったそうです。仕事にも集中でき、日本の文化を楽しめる心の余裕もあります。ビンさんは、休みの日には趣味である「お寺や神社巡り」を楽しんでいます。「京都の金閣寺や清水寺をおとずれ日本の美しい景色に感動しました」と日本の生活を楽しんでいる様子でした。
ー こんなときに助かった組合の対応
企業、技能実習生ともに疑問や相談事があった時に組合担当者がすぐに駆けつけてくれ、直接会って問題を解決してくれるという点がとても助かったそうです。相談内容は書類や手続き関係がほとんどだったようです。
ー エピソード
「事務所に入った時は「失礼します」、「おはようございます」と必ず挨拶があり気持ちがよく、プライベートでも礼儀正しいです。若い社員たちの刺激にもなってほしいです」と荒木社長。技能実習生の2人はとにかくお酒が強く、ベトナムのお酒で45度くらいあるネップモイやルアモイというもち米のお酒をたくさん飲むので荒木社長も驚いたそうです。
プライベートを気にかけてボーリングやサッカーに出かけたりしていますが、素直に楽しんでくれる姿には他の社員も嬉しく感じています。
今年は二人が1度はみてみたいという富士山を見に連れて行こうと旅行を計画中。荒木社長自身も技能実習生との交流を楽しまれていました。

企業、技能実習生の今後

企業、技能実習生ともに3年は短くもっとこの会社で技能を身につけたいというのが希望でした。
「予想よりもはるかに技能習得が早く、目を見張るものがあります。」まじめで誠実に実習に取り組む姿勢に荒木社長も刺激を受けています。
今後、永田醸造機械では11月に新たな技能実習生を2人迎え入れる予定です。
技能実習生の二人は母国に婚約者がいるため、帰国後は結婚する予定だそうです。

企業プロフィール

会社名 永田醸造機械株式会社
設立年 1956年4月30日
代表者 代表取締役 荒木 基弘 様
ご担当者様 総務部課長 小嶋 卓弥 様
住所 兵庫県神戸市西区見津が丘2-1-1
事業内容 食品機械製造
主要商品 NFT自動製麹装置、連続蒸米機、蒸煮原料冷却装置
従業員数 33名
URL http://www.nagata-bm.co.jp/
実習生について
国籍 ベトナム
受入開始年月 2014年6月
採用人数(累計) 4人
受入職種 溶接

阪神金属協同組合

〒650-0015
神戸市中央区多聞通5-2-15 丸久ビル3F
TEL:078-366-2887 / FAX:078-341-2889

〒732-0807
広島市南区荒神町5-8 キャッスル林2F
TEL:082-568-7131 / FAX:082-262-1898

〒700-0023
岡山県岡山市北区駅前町1-7-22 カタヤマビル4F
TEL:086-207-2528 / FAX:086-207-2538

組合概要